第10章 少女の変化
初の戦闘訓練のとき。
緑谷と爆豪の戦いは、しっかりと流衣の目に焼き付いていた。
爆豪は間違いなくセンスの塊で、あの時は確実に、緑谷の方が劣っていた。
それなのに、互角に渡りあっていたのは恐らく、知識量に起因するだろうと流衣は見ていた。
爆豪に知識が少ないのではなく、緑谷の長年の観察と研究による結果なのだろう。
あのような場面が自分にもくるとは思えないが、あって損することはないだろう、と流衣は考えた。
──今日は、もう閉まるだろうから…明日、かな。
──買いに行こう。専門書とか。
──…緑谷からも、何か聞ければいいけど。
生憎、彼の連絡先は持っていないので、これも明日だ。
──ああ、あと、消太の世話もお願い…挨拶に行かなきゃ。職員室かな。
明日はすること沢山だ、と流衣は頭の予定表に書き込んだ。