• テキストサイズ

【ヒロアカ】"無個性"だけどヒーロー科

第10章 少女の変化



「歩きにくい」

「せっかく肩を貸してんのに、そういう事言っちゃう!?」

「要らない、1人で歩ける」

普段通りの流衣に、相澤は安心していた。
USJ事件の翌日、漸く目が覚めた相澤は、包帯姿のまま、病院をあとにしていた。
目が覚めると、当然のように隣には流衣がいて、マイクを電話で呼んでくれたのだ。
何となくだが、自分が意識を失っている間、流衣はずっと傍にいてくれていたのだなと思った。

──さすがに制服姿だったのには驚いたが。

意識はなかったが、怪我を負った自分にかなりの心配をかけさせたのはわかっている。

自分より肩が低いのに、貸して一緒に歩こうとしているその姿勢は何とも愛らしいが、如何せん歩きづらい。
なぜマイクでなくて流衣が来たのだと思うが、そもそも1人で歩けるし、それに──あの友人は恐らく、こちらに気を遣ってくれたのだろう。

普段は煩いくせに、こんな時は静かに見守ってくれる友人に、相澤は心の中で感謝した。


/ 288ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp