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【ヒロアカ】"無個性"だけどヒーロー科

第8章 昔の話



この人がミッドナイトさんだよ。
そう、相澤は紹介した。

流衣の目の前にいるのは、顔立ちも整っていて、何とも艶めかしい、そんな綺麗な女性。
女性らしいその体つきは、小学生の流衣とは大きく違うものがあった。
服装こそ過激だが、それでも魅力的なのだろうと、小学生ながらにそんな事を思う。

そして、次に流衣が抱いたのは──名前も知らない、モヤモヤとした感情。
これを嫉妬と呼ぶというのは、彼女の知識にはまだなかった。

──私に、紹介するってことは。
──…彼女?それとも、好きだから応援しろって事?

相澤からしてみれば勘違いも甚だしいところなのだが、当時の流衣はそう考えたのだった。
そして、──反感を覚える。
その女性にも、わざわざ紹介してくる相澤にも。

──だから、私にはもう構ってられないって訳?

そんな完全な勘違いにより、ミッドナイトは流衣から反抗的な態度を取られることになったのであり──
相澤とも、微妙に距離を置くようになったのである。

代わりにマイクに甘えるようにもなり、自室に籠ることも増えたのである。

もっとも──高校に入ってから、再び、相澤との距離は意図せずして縮まることにもなったのだが。
それが寂しさによるものだと、気付くのは──まだまだ、先の話。
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