第2章 少女の名は
「個性把握テストぉ!?」
皆が驚く中、
「………」
無言のまま無表情を貫く女子生徒が1人。
彼女はやる気がないのか、最後列から更に数メートル後ろで話を聞いていた。
じっと動かず、相澤の顔を見つめている。
何を考えているのか、図ろうとしている目だ。
相澤も彼女が離れた位置にいる事には気づいているようだったが、思うところがあるのか、何も言おうとはしない。
「よし、トータル成績が最下位の者は除籍処分としよう」
女子生徒は、その言葉に──ようやく、小さな反応を見せた。
それは、驚き、焦る周囲の生徒たちとは違い──呆れた、そんな色のものだった。
しかしそんな少女の反応を見たのは相澤ただ1人きりだった。
相澤は髪をかきあげて薄らと笑みを浮かべる。
「ようこそ、雄英高校ヒーロー科へ」
「へぇ…らしいじゃん」