第26章 少女はヒーロー
自分を含めた14名、無傷。
意識不明15名。
重軽傷者11名。
そして行方不明者1人。
その惨状、そしてこの合宿の結果だった。
呆然としていて気が付かなかったが、自分の居た宿舎にも敵は来たらしい。
それでも自分が狙われなかった事を考えると、自分の事はまだ敵に知られていないようだ。
幸い、相澤に怪我はなかった。
最も懸念していた事だから、これで良いのかもしれない。
でも。
流衣は、クラスメイトが攫われた事を無視して、家族の無事を喜べる人間ではなかった。
やっぱり。
自分も動かなくてはいけないなと。
流衣は強く思いつつ、自室で陰鬱とした日々を過ごしていた。
そんな中、
『緑谷君の見舞い、時暮君も来たまえ!』
とのメールを委員長から受け取り。
うざいなと思いつつも、緑谷に罪はないと思い直し、のろのろと出かける準備を始めた。