第21章 過保護と努力
それが、ヒーローとしての将来を案じての事なのか、学生としての日常を案じてなのかは分からない。
しかし、皆、友人の少なすぎる自分を心配しているのだと思うと頷くことしかできなかった。
だから、クラスメイトと話そうとしたはいいものの──問題は、クラスメイトの名前を知らないことから始まった。
しかし、今この時期に訊くのはさすがに忍びない。
だから、1番話しやすい轟にと思い、一人ひとり訊いているわけだった。ついでにと、個性も教えてくれている。
意外と優しいのね、と流衣は失礼なことを思った。