第16章 職場体験
「生徒…何、私たちのクラスってこと?」
『緑谷、飯田、轟の3人だな。…まぁその関係で、俺はこれから警察に行く。帰りは遅くなるが…お前は早く帰れよ』
「うん、分かった。じゃあひざしくんのとこで待ってるから、迎えに来てね」
『は?おい、だから家で待っ──…』
最後まで聞かずにブチッと電源ごと落とした。
心配で電話をくれたらしい。
流衣が敵にやられるなど、ほぼ100%ないというのに──相変わらずの心配性である。
だから過保護だなんて言われるのに、と流衣は思うけれど、それがちょっぴり嬉しかったりもするのだ。
にまにましながら、流衣は友人の家へと向かう。
それから数時間後、その「友人」は相澤に睨まれる事になるのだが──それはまた、別の話。