第16章 職場体験
「おい…轟に知られたらどうすんだ」
流衣が相澤の元に戻ると、小声で叱られた。
どうでも良さそうな顔をして、しっかり会話は聞いていたらしい。
「どうするも何も…私、体育祭でエンデヴァーと会ったからさ、もう隠しようがないかなって」
っていうか、これ以上敵がこっちに来るようであれば、いずれ話すべき時が来るでしょう?
そう続けると、溜息を吐かれた。
「その時はその時だ。それまで黙っていてくれ…気苦労を増やすな」
「気苦労って何!?私別に困らせるような事なんてしてないじゃん!!」
「…こっちの話だ」
何が何だか分からない。
相澤は何を言っているのだろうか?
首を捻っていると、そのまま相澤は歩き始めた。
「置いてかないでよー!!!」