第15章 特別な少女
根津は無言のままだったので、仕方なく流衣は続ける。
「だから相性の良い"抹消ヒーロー"に引き取られることになったのですし、彼が監視役としてつく事になりました。
私は資格持ちではありますが、ヒーロー全員から警戒される対象でもあるとの自覚くらいはあります」
前科持ちですし、ね。
そう言うと、根津は違うよ!と軽く否定した。
「確かに君は強個性の持ち主だし、前科もあるけど…少なくとも、僕達は君のことを警戒なんてしてはいないさ!
だから体育祭での警備も頼めたんだしね!」
「…え、そうなんですか?」
警戒されているものとばかり思っていた。
だから、根津の返しに拍子抜けする。