第15章 特別な少女
その場がシィンと静まりかえった。
皆の呼吸の音さえも聞こえてきそうな、そんな静まり具合である。
何時間にも思える沈黙の後。
それを破ったのは、やはり根津だった。
「そう…その件なんだけどね。
君がどうして、資格を持っているのかは分かっているよね?」
──これ、他の先生って必要かなぁ。
呑気に無関係の事に意識を向けると、ゴツンと頭を叩かれた。
見なくてもわかる、相澤だ。
そして相澤もまた、こちらの表情を見なくとも、考えている事などお見通しなのだろう。
ちくしょう、と心の中で相澤を睨みつけた。
集中しろ、という意味なのは通じている。
「…私が、敵にならないためのストッパーです。強力すぎる個性です、敵側に転じてしまえば…誰も手出しはできません。悪用しやすいですから」
自分のものを強すぎると言うのは変かなと思ったが、誰も口を挟まなかった。