第13章 備えろ体育祭
マスコミが雄英に侵入してきた時の事を、まだ根に持っているようだった。
本当に面倒だったらしい。
少し考えてから、流衣は頷いた。
「んー…じゃあ、交換条件。私も一応、体育祭楽しみではあったからさ」
──参加する気はなかったけど。
元々は教師たちと一緒の席で観戦を楽しむつもりだったのだ。
しかし、警備に駆り出されてはそれすらも叶わない。
とはいうものの、敵襲撃の可能性がゼロだとは言い難いため、警備にあたるのは吝かではなかった。
だから、──交換条件だ。
友人の頼みは無償で聞いてやりたいところだが、元々頼むつもりだったものがあるのだ。
だから、丁度いい。
「おう、何だ?」
「私は全日警備にあたるよ。その代わり、ひざしくんは解説役なんでしょ?──隣に、消太を置いといて。倒れたら、すぐに保護して欲しいし」