第12章 友達、そして覚悟
──本当の私をまだ見せてないのに、それって友達って言えるのかな。
たとえ緑谷であっても、自分の過去は溝を作ってしまうだろう。
──友達、か…
雄英に来てから、クラスメイトたちの輪の中に入りたいと思うことが増えた。
今までは、そんな事、無かったというのに。
──でも、私が入れば、和は乱れる。
だから友達にはなれはい、と。
「ごめん、………続けて?」
悲しい痛みを隠しながら、流衣は笑う。
緑谷はその悲しい微笑みに気付いていたが、何も言わなかった。
それこそが、優しさなのだと信じて。
それが、吉と出るか凶と出るか──今はまだ、誰にも分からない。