第12章 友達、そして覚悟
そして、
気がつくと、目の前に流衣の顔があった。
「~~~っっ!!!??」
「あ、ごめん」
慌てて顔を離すが、流衣に動じた様子はない。
意識されてないんだろうな、と緑谷は苦笑する。
──僕だけか、緊張してるのは。
「同級生との距離とか、慣れてないから…おかしかったら、言ってほしい」
でもさっきのは、ごめん。
そう、流衣は謝った。
頭を下げようとするのを、緑谷は制した。
「とっ、友達なんだから、頭とか下げなくていいよ!!!!」
「……友達?」
「うん、友達」
「そっか、友達…………」
流衣はなぜか、考え込むような顔になった。
渋い顔はまるで、
──友達、嫌だったのかな…
自分で考えたことに傷つく緑谷。
しかし、それに同級生が気付く様子はない。