Dr.Heart Stealear [ONE PIECE]
第6章 パンクハザード
2時間後に戻る、とローと約束をしてから彼女の部屋を訪れた。
部屋には多くの書類、ペン、乱雑に置いてある分厚い本…
「そこ、座ってて。」
彼女が指した場所は部屋に似合わず小さめのピンクの机に、白のカーペットが敷いてあるスペース。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
「フフ…そんなにかしこまらなくていいのよ?」
「そう?ありがとう。」
モネが紅茶とクッキーを持って、私の正面に座った。
「…話って、具体的には?」
「特に無いんだけど、貴女に興味があって…。」
怪しげに笑うモネ。女の私からみても、どこか色気があって綺麗だった。
「噂によると、貴女の剣術はかなり凄いと聞くけど…誰かに習ったの?」
「一応…。小さい頃らしいから覚えてないけど、体は覚えてたらしくて。」
「生まれ持った才能…って事ね。」
私には頭くらいしかないから…と目を伏せるモネ。
「そんなことないでしょ?その姿とか…すごく綺麗だし、頭がいいのは羨ましい。」
私の言葉に赤面して、照れたモネ。さっきとは違い、雰囲気が柔らかく可愛らしい。
「…褒め言葉に弱かったりする?」
「え?そ…そんな事ないわ!」
「ふふ…そうかな?」
一生懸命否定するモネ。
実は可愛らしくて、褒め言葉に弱い。
女人国にいた頃とは違った気持ちになる。
「貴女とは"良い友達"になれそう。」
「ふふっ、私も!」
"友達"だとモネに言われ、素直に嬉しかった。
それに、モネの笑顔が今までで1番綺麗に見えたから。
「なまえ、よろしくね。」
「こちらこそ。」
少し、この時間が惜しい。
敵同士になるかもしれないのにこうやって笑い合える時間が…。
話し始めて2時間、とても早く感じた。
「そろそろ戻るね。服とか片付けなくちゃ。」
「あ、ちょっと待ってて…」
モネが部屋のタンスから服を数枚出してきた。
「これ、あげるわ。前着てたやつだけど、ここの気候は厳しいから。」
「いいの?ありがとう!」
「どういたしまして。」
モネに貰ったのはファーが付いていたり、ニット系の服が多かった。寒いここではピッタリだ。
「じゃあ、また後で。」
「うん。」
(なまえ…私は、貴女と戦いたく無い。初めてできた"友達"だもの。)
(モネ…"友達"になってくれてありがとう。ごめんなさい。)