Dr.Heart Stealear [ONE PIECE]
第6章 パンクハザード
「ここでいい?ここなら最低限の医療器具があるわ。」
「助かる。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、私はこれで。」
モネの姿が見えなくなった所で2人が顔を見合わせる。
「…想定外だった…。」
「やっぱり…?」
「まぁ、追い出されたら元も子もないからしょうがねェか…」
「確かに。キャプテン、寒いから入りません?」
「あぁ、そうだな。」
ドアに手をかけ部屋に入る。
中にはモネが言ったように医療器具、少し離れた所に少しの家具と大きめのベッド、カーテンで区切られたシャワー室。
「…なまえ、ここでは名前で呼べ。」
「何でですか?」
「いや…他のクルーと居るときは上下の関係があったが今は2人だから許そうと思ってな…」
目線を左下に下げたロー。
「…本音は?」
「……、名前で呼んでほしいだけだ。」
「ふふっ…了解です。ロー…」
「あぁ。」
"嘘をつくときは必ず左下をみる"
ペンギンの、ローに関する入れ知恵だ。
「何でわかった?」
「ペンギンの入れ知恵です!」
そう答えても何の答えだかわからないようで、本当に無意識らしい。
「なまえ、とりあえず今日は寝るか?」
「そうですね、時間も時間ですし…」
壁に掛かってる時計の針は午前1時。
既にローはベッドに入っていて、目で早く来いと言っている。
ここに来るまでにできた習慣。
ローの前に寝転び、なまえの体をローが後ろから抱く。
なまえは、これがいつになっても慣れない。
「おやすみなさい。」
「おやすみ。」
首筋にローがキスを落とし、2人で瞼を閉じた。
2人がそれらしいことをした事はまだない。唇へのキスもシャチに遮られて以降していないが2人はそれで満足してる。
2人でいる時間が何より幸せだから。