Dr.Heart Stealear [ONE PIECE]
第5章 ハート
「これで湿布貼っとけばいいだろ。」
「わざわざすみません。」
「お前のせいじゃねェよ。それに、これも医者の仕事だ。」
「ありがとうございます。そういえばさっき、キャプテンカッコよかったです!」
「さっき?」
おれとは対照的に、笑顔でおれをみてるなまえ。
「はい!"おれの女"とか!」
「…忘れろ…!」
「無理ですね!嬉しかったですから!」
本当になまえは無邪気に笑う。
嬉しかった。なんて言われて自惚れないヤツなんかいねェだろ。
なぁ、なまえ?
お前はどんな気持ちなんだ?
誰をみて、どんな気持ちになってる?
「キャプテンの女になれたら幸せなんだろうな…あ、いや!今のは変な意味じゃないんですよ!?将来結婚したら幸せだろうな…ってあれ?同じ意味か…あの…っ、えっと…」
「っクク…なら、おれの女になるか?」
「え…っ!?」
しどろもどろななまえに言ってみると全ての動作をやめて顔を真っ赤にしておれをみた。
「やだなぁ…そんなこと他の女の子に言ったら皆ついて来ちゃいますよ?」
「他のヤツには言わねェよ。なまえだけだ。」
おれはお前だけをみてる。
お前をみて、どうしようもないくらいに手に入れたい欲求が心を占めてく。
中々おれの思うように動かなくて、お前を踊らそうとしても、おれが踊らされてるだけ…。
こんなに、手に入れたいなんて思ったことはねェ。
「え…あ、私、シャチのところに…」
「逃げんな。」
部屋を出ようと立ち上がるなまえの腕を掴んだ。もちろん、怪我のない方を。
「キャプテン…?」
「お前はシャチの事が好きか?男として…」
「シャチは…仲間として、好きです。」
おれの手から逃げられないことがわかったのか、また座り直すなまえ。
「他のクルーは?」
「同じくらい、好きです。」
ここで、おれのことについて聞けねェおれは何だ?
また、おれはお前に踊らされてんだ。
おれは海賊。
狙ったら絶対手に入れる。