第13章 暁ばかり憂きものはなし
漸く面倒な期末を終え、部活も再開した。
進路相談なんていう面倒な行事も終わり、冬休みを控える。
周りは一気に受験ムードになり、ピリピリとした空気が広がった。
こちらはスポーツ推薦でどうやらなんとかなるらしく、肩の荷が少し降りる。
それでも、多少はやらなくてはならぬこともある。
がいてくれるお陰で、勉強方面は大分安泰はしている。
有能な恋人がいるというのはありがたいことだ。
「は、担任になんて言ったんだ?」
「……何も…」
「何も?」
怪訝に思ったが、表情を見て薄々わかった。
担任というのもなかなか大変なのはわかる。
あまり登校していないに関しては、深く観察が出来ない。
何を言ったらいいかもわからなかったというのは、想像できた。
「牛島くんの邪魔は、しないように、って……」
「邪魔なものか、助かっている」
現にこうして、わからない所は丁寧に教わっているという。
表面しか見ていない学校を疎ましく思った。
「うん…、ありがとう」