第11章 万華鏡
に連れていかれたのは、街角の賑やかなカフェだった。
周りには……女子しかいない。
「牛島くん…、すごく、目立ってて、なんか、ごめんね……」
「……いや」
視線が若干痛いが、どうしてもここに食べてみたいメニューがあるという。
彼女は食べ物にあまり関心がないのか、こういったことは珍しく、こちらもそれを嬉しく思ってきてみた。
確かに女性向きな内装や食器は、なかなか受けがいいかもしれない。
また、バラエティーに富んだ紅茶の数々もその一つだろう。
(どう違うんだ…?)
が飲み物2つと、例のメニューを店員に注文する。
「他に食べなくていいのか?」
と聞いたのは野暮だったかもしれない。
目の前にあるあまりに立派なパフェはえげつなかった。
コーンの形を模したコップにまんべんなく注がれたソース、チョコレート、中にはアイスとケーキが地層のように美麗な断面を描き、たっぷりの真っ白なクリーム、色とりどりのアイス。
てっぺんには綿菓子、筒の形のクッキーが3本刺さっている。
「それではジャンボパフェチャレンジ!
今から30分です!はじめ!!」
「チャレンジ…?」
店員の掛け声と共に、は小さなスプーンでパフェをつつきはじめた。
「お前の胃袋では無理だろ…」
「だから、牛島くんと来たの…!
食べて!」
「………」
無理やりカレースプーンを渡され、渋々食べ始める。
味は、悪くはない。
「塩っけが、欲しいな…」
「……うん」