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御伽アンダンテ【HQ】【裏】

第10章 契り深く


「」
「牛島くん…!」
ロビーにいた一際目立つ長身に急いで駆け寄る。
「走らなくていい」
「ごめんね、つい」
ソファに腰掛けると、飲むか?とペットボトルのお茶を渡してくれた。
お礼を言いながら受け取ると、牛島くんは淡々といつものように部活での話をしてくれる。
いつも何か話しているつもりはないらしいのだけれど、無意識に私にその日のことを報告しているらしい。
「その話、解決したんだ……よかったね…!」
と相槌を打つと、
「……話していたか」
といつもの表情が少しだけ変わる。
いつもしっかりしている彼の天然なところが、可愛いと思う。
「は、どうだ?」
「前より元気そうだって、言われた。
初めてだよ、こんなこと……」
「そうか、よかった」
牛島くんは少しだけ、表情を緩めて安心したような雰囲気だった。
わからないほどの微妙な変化だけれども、私は、その空気がとても好き。
「牛島くんの、お陰だね、って」
「そんなことはない」
「あるよ…!前より、ちょっと自分に自信がある、と思う…。
先生とも顔を見て、お話出来るようになってきた…」
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