第1章 俺の執事
蓮side
「蓮様、今日はテストが返却されたのでは?」
「うっ……何で知ってんだよ……」
「遅くまで勉強していらっしゃったので大体今日が結果発表だったのでしょ?予想はつきます。で?結果はどうだったんですか?」
「ま、まぁまぁだよ。」
絶対見せない。
だって馬鹿にされる。
「見せてください。」
「やだ。」
郁翔が手を出してきて物凄い圧力で見下ろしてくる。
「早く。」
「俺が主人だぞ!?命令するな!」
「……将来のために私も知っておく必要があります。」
「……うぅ……」
郁翔の圧力に耐えきれず渡してしまった。
テスト用紙を見て郁翔が目を丸くした。
「なんですか?この点数……目をつぶって解いたんですか?」
「ちゃんと開けてたよ!」
「だったらもっと取れるでしょう?……明日から私が勉強見てあげます。」
「いい!!」
「いい?……蓮様、西園寺家の息子として恥ずかしくないのですか?私だったら恥ずかしくて自殺考えるほど落ち込みますけど?」
「うぅ……」
なんも言い返せねぇ……
この執事はほんとにムカつく……
「……わかった……」
「次のテストでは80点当たり前にします。よろしいですか?」
「うん……」
無理言いやがって……
何でこんな奴好きになったんだ?
全然主人思いの執事じゃねぇし……
俺の執事はカッコよくて身長高くて頭もいいが、結構ムカつく奴だ。
それでも俺は何故かコイツが好きなんだ。