第5章 どうにでもなれ
蓮side
「何やってんだよ・・・お前は・・・」
「あなたを置いていけるわけないじゃないですか。」
「馬鹿かよ。」
「それはこっちのセリフですよ。どうしてもう他人の私を庇うんですか。」
「それは・・・」
物陰に隠れたまま、郁翔と至近距離で話す。
話す度にお互いの息が当たる。
「郁翔!どこだ!出てこい!!」
「「っ!」」
銃を撃ちながら迫り来る。
固唾を飲み込む。
どうする。
どうしたら・・・
「蓮様、前にも言いましたが私は貴方を愛しています。だから、貴方には生きてほしい。私の望みはただそれだけです。」
郁翔はこんな状況にも関わらず柔らかい笑顔を見せ、近くのパイプを握り物陰から出ようと立ち上がった。
また言えないまま、お別れするのか?
そんなのはもう嫌なのに。
気がついたら郁翔の袖を掴んでいた。
「どうしました?」
「ふざけんな。勝手に告白して勝手に消えんじゃねぇよ。」
もうどうにでもなれ。
「俺だって・・・お前が好きなんだよ・・・ばーか////」
「え・・・?」
「みーつけた。」
郁翔の後ろに銃を持って男が現れた。
「っ!?」
郁翔に銃口が向く。
そして、銃声が響き渡った。