第3章 構って欲しいだけ
郁翔side
俺は最低だ。
蓮様に酷い事を。
未だに昨日の事が忘れられない。
あの蓮様の顔、声、身体・・・
誰にも渡したくない。
分かっている。
駄目なことは。
ただ、辛い。
誰よりも側にいるのに伝えられない。
隣に立てない。
勿論、住む世界が違うし、身分だって正反対。
それを承知で執事をしてる。
「熱・・・下がらない。」
体調は悪かったが、仕事をしない訳にもいかず。
蓮様の為にも働かなければ。
蓮様が帰ってきたら、いつも通りに接するのが主人の為。
ここに居ていいと言ってくださったんだ。
だったら、『執事として』振る舞わなければ。