第3章 構って欲しいだけ
蓮side
目が覚めると外は真っ暗だった。
あれ・・・俺何やって・・・
何か身体中からいい匂いが・・・
それに布団も気持ちいいし、服も新しい・・・
何が・・・
あれは夢?
だとしたらどんだけ郁翔のこと好きなんだろうな俺。
そっか、夢か・・・少し残念。
体調もだいぶ良くなったし、郁翔の所に行くか。
ベッドから立ち上がり、歩こうとした。
「いっ!?」
腰に激痛が走り、膝からガクンと倒れてしまった。
なんだ・・・これ・・・
「失礼します。蓮様?」
ノックして、郁翔が入ってきた。
「っ!蓮様、大丈夫ですか?無理なさらないでください。」
「い、郁翔・・・俺達・・・」
夢じゃなかった?
「蓮様・・・申し訳ございません。あんな事・・・」
「じゃあ、やっぱり・・・何であんなこと・・・」
「・・・構って欲しかっただけだと思います。恥ずかしながら、賢人様の事ばかり話す姿を見て嫉妬してしまいました。それでも、あんなの酷いですよね。執事失格です。」
嫉妬?
郁翔が?
それを知って、少し嬉しくなった。
「・・・気にしてねぇからもういい。・・・風呂と服・・・してくれたんだろ?ありがとうな。」
「はい・・・」
本当に反省してるんだな。
「・・・執事辞めんなよ。俺、お前がいないと駄目だから。」
「・・・ありがとうございます。」