第3章 構って欲しいだけ
蓮side
俺達は3時間も話で盛り上がった。
俺の家の事や賢人の前の学校の事。
郁翔の話など沢山して気が付けばもう夕食の時間になっていた。
「蓮様、夕食の時間です。」
「げ、まじか。蓮、俺帰るわ。長居してすまない。」
「食っていけよ。」
「いや、申し訳ないし……」
賢人が断りながら荷物をまとめていると、郁翔が声をかけた。
「少し、多めに作ってしまいましたのでよろしければ食べて行って貰えませんか?」
「え……いや……えっと……」
せめて笑顔作って言えよ。
真顔は怖いぞ。
「遠慮はいいって!俺、あんま食べれねぇし、勿体無いからさ。」
「じゃあ……お言葉に甘えて……」
「よし。」
俺は賢人を食事の場まで案内した。
「いやいやいや!これどう考えても少し多めじゃないですよね!?」
実は賢人の分まで考えて作るように頼んでおいた。
まぁ、確かに2人分にしては「少し多い」かもな。