第3章 構って欲しいだけ
郁翔side
蓮様が珍しく上機嫌で帰ってきた。
帰ってお腹空いたと言い出すかと思えば、ベッドの上でゴロゴロしてニヤニヤしながら携帯をいじっている。
「はぁ……何かいい事でもありましたか?」
「んー?……聞きたい?」
「……いえ……別に。」
「んふふ♪実はさー」
聞きたいと言ってもないのに勝手に話し始める。
けど、あまりにも楽しそうに話すものだから俺も聞き入ってしまった。
「親友できたんだ。」
「親友ですか?!蓮様に!?」
「おまっ……失礼だな!!俺だってできるよ!!(怒)」
「いや……まさか友達ではなく親友とは……ただの蓮様の勘違いでは?」
「ちげぇよ!!賢人から親友になりたいって言ってきたから仕方なくなってやったんだよ!!」
凄く上から目線の言い方・・・
でも、初めてちゃんと言い合える相手ができて嬉しいんだろう。
「でさ、明日賢人を家に呼ぶから!!」
「急に言われましても……」
「もう約束したし!頼むよ!」
「はぁ……分かりました。」
全く……本当に困った主人だ。
けど、そんな我儘な所も好きなんです。
「さぁ、勉強の時間です。携帯を置いてください。」
「んーもうちょっと。」
「駄目です。」
俺は蓮様から携帯を取り上げた。
「あ!おまっ……返せ!!」
「机に着けば返します。」
「分かったから!!早く返せ!!」