• テキストサイズ

FFVII いばらの涙 綺麗譚

第3章 IN FLAMES


 クラウドは何かを思い出すように空を見詰め、ふとした疑問をヴィンセントにぶつけた。

「罪って、許されるのか?」
「……試したことはない」
「試す? 試す……。 マリン、帰るぞ」

クラウドがマリンを呼ぶ。
ようやく自分が物語に関わる覚悟を決めて。

「やってみるよ。……結果は連絡する」

マリンの手を取り帰路に着くクラウドを見送り、ヴィンセントは最後に残された電話を示すジェスチャーを見て

「どうやって……」

そう呟いた。
そして思い出していた。

『もう赦して』

いつかシャロンが小さく呟いた言葉を。

(赦すも何も、彼女を恨んだことなど一度もない。
誰に向けた言葉だったのか。何を赦す? 誰を赦す あるいは、自分自身を?
どうやって……)

彼はそうしていつも停滞を望んだ。
赦されるはずなどない。どうやってやればいい?
そういった姿勢のまま。

(試す……か)

彼は思い出した。
先の戦いでもクラウドは、停滞を選ぶ自分に再び歩むための端緒をもたらしてくれる存在だったことを。
/ 82ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp