ここはシリーズif短編【HUNTER×HUNTER】
第3章 俳優イルミさんとマネージャー
しかし彼をマネジメントして早2年私は彼に恋心を抱き始めていた
マネージャーという仕事柄、常に彼と行動を共にする
彼はテレビ画面で笑顔を振り撒く人物像とはかなり異なっていた
しかしその実、無愛想な人だが決して冷たい人では無かったのだ
仕事に対しても忠実で天才なんて言われているが彼は努力の人だった
台本を読み込みキャラクターを完璧に仕上げる様はまさにプロで其の努力を垣間見るのは私只1人。
絶えまぬ努力は完璧な演技に繋がるので天才と言われれば天才かもしれない
人付き合いは苦手な様で友人と呼べる人物は居ないそうだが仕事の付き合いにはキッチリ顔を出す
我が儘なんて噂は所詮噂で
「イルミさん、何食べますか?ケータリングもありますけど、ロケ車に先持って行きます」
「何でも良いよ……あるの適当に見繕って。ケータリングは要らないから。あ、飲み物は自分で持って行く」
「解りました!」
逆に聞き分けが良く、淡白過ぎる程に何事にも執着しない人だった
「はい、もしもし、……はい………はい…………あー……其のスケジュールやと……ちょっと……「何?」
「特番のスペシャルゲストにって、でも其の前にドラマ撮影入ってるんで………」
「いつ?現場は?」
「来週の火曜日に捩じ込みたいって……フ○テレビです」
「確か撮影はお台場だったよね。何時から?」
「18時入りだそうです………」
「………撮影はシーン13って言ってたから押しても15時迄かな、………入れといて。」
「でも!お休みにならないと!」
「平気だからOK出しといて。」
「っ………あ、すみません!出ます!」
更に仕事熱心でスケジュールは何時もびっしり
…………そんな完璧な彼に一つ欠点があるとするならば
「やばいです!遅刻しますよ!起きてくださいっ!!!!」
「……………やだ」
「やだじゃありません!!!!ほんまに!あと5分で出ないと!!!!」
寝起きが悪い事だった。