第10章 家族旅行
『……お姉ちゃんの為じゃないですよ…』
祈織「昨日の夜の事覚える?」
蒸し返された話には固まる
『あー…えー…なんですか?』
祈織「天使の話」
『あぁ…その話ですか?』
祈織「その話ってもっと聞いていい?」
はうーんっと考えた後、ペンを置く
『じゃあ休憩がてら話しますね。まだ天使だった頃──1人の少女が神様にイタズラをしました。それは些細なイタズラでした。神様にとったら逆鱗に触れる事とは思ってなかったんです。少女は神様を驚かせようとしてただけです。けれど神様は驚きを通り越し怒りました』
手持ち無沙汰なのかジュリの毛並みを優しく撫でながら話す