• テキストサイズ

【A3!】真夏の恋よ 永遠になれ【三好一成】

第1章 Summer #1








side Kazunari






「これ絶対似合うから!着てみなよ!ほらほら〜」





そう、友達であろう人物に言われている子。

決して派手ではなく、オレのトモダチにはあんまりいない感じの。



純粋に、"可愛い"と思ったのがオレの本心だろう。



変に見たら怪しいし、かと言って目に入らないようにするにも難しい。自分も試着室へ入ってしまおうと思った。






「ど、どうかな……やっぱ似合わないよね、!」






オレに向かって話してる…?


いや、違う。目を瞑ってる。
友達が前にいると思ってるんだろうな、可愛い。




『えっと…オレ、じゃないよね?』




もうちょい気遣った言葉にすればよかったと少し後悔した。




「ごごご、ご、ごめんなさい、!」




彼女激しく謝っているので、


『そんなに謝らなくても!?!』


と、返しておいた。




……沈黙が痛い。





『似合ってると思うよん!』




気付けば、そう口に出していた。


彼女は、「ありがとうございます」と言って笑った。


今思えば、この時にはもう恋に落ちていたように思う。






少ししてから彼女の友達が来た。


オレは誰か、と問うので(当たり前だけど)



『あ、オレ三好一成!いや〜、たまたま試着室の前を通りかかった時にこの子が出てきて、つい見とれちゃったんだよね〜。
ゴメンね、じゃあオレ行くね!』



と、必死に取り繕った。

ここで最大のミスだ。いつもは口を開けば



『連絡先交換しよ!』



などと言うところであるのに、
本当に聞きたい相手に対して聞きそびれた。



頭の片隅に彼女がいるまま、

諦めなければいけないと思っていた時、




もう一度会えるなんて、思ってもみなかった。


/ 7ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp