第1章 太陽が輝く理由
「・・・あれ?」
テラレスは空を見上げました。
空には一面の青が広がり、ところどころ白い雲がぷかぷかと呑気に浮かんでいます。
そしてテラレスの真上には、消し炭のように真っ黒な太陽が。
「なんだあれ!?」
「た、太陽様が!」
「きゃーっ!」
そこかしこから、ひまわりの国の住民の声がします。
「テラレス!」
シーエはテラレスを守るように抱きしめます。
「兄さん、あれ・・・。」
「とにかく家に戻ろう!」
シーエがテラレスの手を取って走り出します。
目の前の道は、先ほどとは打って変わって暗く鬱蒼としています。
テラレスはシーエに付いて行きながらも、そのひまわりのような目は空を向いたままでした。
「・・・太陽様が燃え尽きた?」