第1章 太陽が輝く理由
がさがさっ!
目の前のひまわりが大きく揺れ、少女の髪が逆立ちました。
現れたのはひまわりのように黄色い髪をした少年でした。
「おっ、テラレスじゃん。」
「シーエ兄さん・・・びっくりしたー。」
テラレスは憤慨するように、しかし見つからないよう小声でシーエに詰め寄ります。
「ごめんごめん。驚かすつもりは無かったんだ。」
シーエはその首から上だけ茶色い顔をテラレスに寄せて謝ります。
どうやらこの2人は兄妹のようです。
「アステリの声ってあっちからしたよな?」
「うん。あたしこっちに行くね。」
「じゃあ僕はこっち。」
2人は手早く算段をつけると、拳を合わせて検討を祈り合います。
鬼に見つかるまいと2人が駆け出そうとした、その時。
辺りが突然夜になったかのように暗くなりました。