第1章 太陽が輝く理由
少女は1本のひまわりに触れると、頭上の花を見上げました。
そのひまわりは他のひまわりより幾分赤みを帯びた花びらをしていました。
少女はひまわりの茎に抱きつきます。
「うん。あたしってば、また成長したんじゃない?」
満足そうな笑みを浮かべ、茎をぺしぺしと叩き付ける少女。
彼女はこのひまわりの化身のようです。
「あー、喉乾いた。雨降らないかなー。」
ちらりと空を見上げたひまわりの瞳に映るのは、晴れ渡った青空と、水分なんて1つも含んでなさそうなふわふわの白い雲。
少女は小さくため息を付きます。
「もういいかーい!?」
あっ、しまった。
「まーだだよー!」
声のした方に向かって叫ぶと、少女は急いでかくれんぼの続きを始めます。