第1章 太陽が輝く理由
「で!?どうするのよ!?」
「まずいよ!炎が!炎が!」
イディアとアンスが大騒ぎで走り回ります。
月の炎は、いまやロウソク程度に燃えているだけ。
「シーエ!このままじゃ世界は真っ暗よ!」
「うわー!みんな枯れちゃう!つーか寒い!」
ヘリアンとアステリもヒステリックに騒ぎ立てます。
シーエはしばらく頭を抱えると、神妙な面持ちで顔を上げました。
「テラレス。」
呼びかけたのはテラレスの名前。
「何?」
シーエは自身の黄色い髪に手を突っ込みます。
何かを掴むと、その手をテラレスに差し出しました。
「俺の種だ。」
受け取ったテラレスの手には、小さなひまわりの種が1粒。
「地上に帰ったら植えといてくれ。」
「兄さん?」
シーエの大きい手が、テラレスのオレンジの頭を優しく撫でます。
「俺を火種に、太陽様の炎を元に戻す。」