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太陽が輝く理由

第1章 太陽が輝く理由


月の周りをひまわり達が囲みます。
「くそぉ・・・どいつもこいつも・・・。」
がらがらの声で月が言葉を紡ぎます。

炎はたき火程度にちろちろと燃えていました。

「ねぇシーエ、炎が・・・。」
みんなの表情が曇ります。
「へっ・・・やっぱり誰も俺なんて見向きもしやしねえ。」
月は自嘲するように笑いました。
「大事なのは太陽様なんだろ?俺がこうなっちまうのも、当然の報いだって言えばいいじゃねーか。」
誰も何も言えませんでした。
月はその様子を見てまた笑います。
「俺が死んじまっても自然には何も影響が無いしな。まぁ夜が暗くなっちまうかもな。」
はははっ、乾いた声はひまわり達の心に突き刺さります。


「なぁ、そこのチビ。」
月はテラレスに呼びかけます。
「さっき俺の気持ちが分かるって言ったよな?」
「・・・うん。」
「今の俺の気持ちが分かるか?惨めな俺の気持ちが。」
テラレスは言葉を失いました。
消えて行く月の気持ちが、自分に分かると言うのでしょうか?

「分からない・・・。」
テラレスの本音に、月は予想通りと鼻で笑います。
「そうだよな。お前はこうして仲間に愛されている。俺とお前は違うんだ。」
炎がまた1つ、音も無く消えました。

「誰も俺の事なんて・・・。」
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