第1章 太陽が輝く理由
「ぎゃああああああああ!!」
月の悲鳴と、雨が蒸発する音と、入道雲さえも出来そうな蒸気が、空間の全てを占めました。
ひまわり達の声など、誰にも、叫んだ本人でさえも聞こえません。
「雷雲!裏切るのかあああ!!」
「裏切る?最初に太陽様を裏切ったのは月だろう?」
月の炎がどんどん弱まって行きます。
「くそおおおおおおお!!」
弱まっていた月の炎が、最後と言わんばかりに激しく燃え上がりました。
「雷雲!」
ひまわり達の悲痛な叫びが空気を貫きます。
炎の勢いに負けて、雷雲達は蒸発し忽然と姿を消してしまいました。
残ったのは、蒸気を上げる炭のような月の姿だけ。