第1章 太陽が輝く理由
背の高いひまわりの影から勢い良く飛び出たのは、オレンジの髪をした少女でした。
身長は10センチほどでしょうか?妖精のようにも見えます。
外向きにぴょんぴょんと飛び跳ねた髪が、彼女の息づかいに合わせて上下します。
「もういいかーい!?」
生い茂るひまわりの向こうから、少年、いや青年でしょうか?男の声がしました。
「まーだだよー!」
今度は若い女の声が聞こえてきました。
どうやら彼女達はかくれんぼをしているようです。
少女は声のする方をチラリと見ると、ひまわりのように黄色い目できょろきょろと辺りを見回しました。
声とは逆の方向に、少女はなるべく音を立てずに歩を進めました。