第1章 太陽が輝く理由
「でも今は兄さん蹴落としてまでリーダーになろうと思わない。」
「・・・なぜだ?」
いつの間にかテラレスの話に聞き入っていた月が尋ねます。
テラレスは自分を見つめるシーエを見つめ返しました。
「だって兄さんは、リーダーになるために努力しているもの。」
リーダーという肩書きに甘える事無く、自分を磨く事を忘れていない。
シーエは我侭を言ったりしない。いつも他人を優先して行動している。
みんなの事を考え、より良くするためにまず自分が動き出す。
ひまわり畑の住民も、そんな兄さんの実力を認めている。
「兄さんは長老の息子だからリーダーなんじゃない。自分の力でリーダーになるのよ。」
「テラレス・・・。」
シーエがテラレスを抱きしめます。
「ありがとう。嬉しい。」
「あら、だからってあたしがリーダーの座を諦めたわけじゃないよ?」
「えっ?」
シーエが体を離してテラレスの顔を覗き込みます。
「あたしも力をつけて、みんなから認めてもらえば、いつかリーダーになれるかもしれないもの。」
暴力や策略でリーダーの座を奪う事はしない。
自分自身で勝負して、正々堂々とリーダーになってやるんだもの。