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太陽が輝く理由

第1章 太陽が輝く理由


ひまわり達は柔らかい雲の上をもふもふと歩いて行きます。
時々どこかから雲の声援が聞こえてきます。
一歩進むごとに、辺りを照らす光が強くなっていくのが分かりました。

「こうしてると夢の中の世界みたい。」
イディアが改めて雲を踏みしめてうっとりと呟きます。
「空は綺麗だし、光は溢れてるし、雲は柔らかいし。」
「そうだな。ここだけ見ると平和そのものだ。」
アステリは雲を手ですくって感触を確かめます。
握りしめると手から溢れ出し、開くと消えてしまう雲。
それは綿毛よりも柔らかく、まさに空気を掴んでいるような。
「雨が降ったらここも暗くなるのかな?」
アンスが小首をかしげて尋ねます。
「雲の上はいつも晴れているらしいよ。」
テラレスは父親から聞いた話を思い返します。
「風が強く吹き荒れる事もあるけど、基本的に平和な世界だよ。」
教えてくれたのは、ひまわり達が踏みしめていた雲でした。
「へぇー。本当に夢の世界なんだ。」
ヘリアンは風ではためく髪を抑えて感心します。
「まぁ雨が無かったらあたし達は枯れちゃうけど。」
「違いねえ。」
はははっ!笑い声が溢れました。


のどかな世界、優しい雲達。
きっと風とダンスして、地上に雨を与えて、空に絵を描いて、流れ星を捕まえて、時々遊びに来る鳥達とお喋りして。
空の住人はそんな生活を送っているんだろう。

「じゃあなんで、月はあんな事をしたんだ?」
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