第1章 太陽が輝く理由
みんなの視線がテラレスに集まります。
「太陽様はみんなに命を与えてくれる光だけでなく、心も持っていらっしゃったじゃない!」
嫌いな生き物を影に追いやるような事はしなかった。いつもみんなに分け隔てなく光を与えていた。
自分が自然の頂点にいるからって、奢り高ぶるような態度は一度だって取らなかった。
「何より、命が失われるのを良しとする王様なんて、そんなのリーダーじゃない!」
テラレスの言葉に、ひまわり達の心にも勇気が戻ってきました。
さっきまで険しい顔をしていた雲が、テラレスに柔らかく笑いかけました。
「お嬢ちゃんの言う通りだ。」
周りの雲もそれに賛同します。
「そうよね。王様に必要なのは炎じゃない、みんなを想う心よね。」
「俺達、自分かわいさで大事な事を忘れてたな。」
雲が少しずつ身を引いて、隙間から青空が見えました。
「通りな。それから、月様までの道を作ってやる。」
「えぇ!?」
ひまわりと鳥は歓声を上げます。
「お前達ならやれるよ。」
「応援しか出来ないけど、頑張って!」
雲達の間を通りながら、たくさんの雲の声援を受けます。
「ありがとう!」
「必ず元に戻してみせるよ!」
雲の上に出ると、頭上は一面の青空で、目の前には1本の白い雲の道が出来ていました。