第1章 太陽が輝く理由
「炎は持っているかもしれないけど、光は地上まで届いてねーじゃねーか。」
「このままじゃ地上のたくさんの生き物が死んじゃうぞ!」
アステリとアンスの訴えに、雲達の顔付きが険しくなります。
「あの炎を持っている方の言う事は絶対なんだよ。」
「あたし達だって止めるよう言ったわよ。でも言う事を聞かないの。」
「お前達が行ったところで話を聞くような方じゃないぞ。そもそも俺達が動かないしな。」
雲達の言葉に、ひまわりと鳥は暗い顔になりました。
「おい、ひまわり。」
どこからか別の雲がやってきました。
「月様からの伝言だ。」
「えっ!?」
ひまわりは驚きの声をあげましたが、シーエが前に出て言葉を受け取ります。
「聞きましょう。」
「よし、一度しか言わないからな。」
ひまわりも鳥も雲も、固唾をのんで見守ります。
「お前達が俺に歯向かう間は、空を曇らせ嵐を呼び、光など与えず洪水を起こしてやる。
俺を認め、地上へ帰り大人しく暮らすのなら、雲達をどけて今まで通り光を与えてやろう。」