第1章 太陽が輝く理由
いつの間にやら、あんなに広がっていた青空が雲に覆われていました。
月が身を隠すためでしょうか?分厚い黒い雲が目の前に立ちふさがります。
明るかったはずの空がすっかり暗くなってしまいました。そろそろ夕立でも起こりそうな雰囲気です。
「さすがに雨雲を突き抜けるのは危険すぎるぜ。雲にどいてもらうしかねーな。」
鳥達は雲のすぐ下で雲が晴れるのを待ちました。
雲達の声が聞こえてきました。
「ひまわりの奴らだ!」
「月様に知らせろ!」
どうやら雲はひまわり達を敵対視しているようです。
「ここを通してくれないか?月と話がしたい。」
シーエが代表して雲に語りかけます。しかし雲からの返事はありません。
「どうして通してくれないの?」
「太陽様にあんな事をした月の言いなりになるって言うの!?」
イディアとヘリアンが叫びますが、雲は視線すら合わせてくれません。
「ひまわり。空の世界ではな、太陽の炎を持っている奴が王様なんだよ。」
空の世界にも精通している鳥のリーダーが教えてくれますが、みんなは到底納得出来ません。