第1章 太陽が輝く理由
6人は鳥の背にまたがり、空を飛んでいました。
辺りはようやく光が届く圏内に入ったのか明るくなってきました。
「すっげー!」
アンスは目を輝かせて地上を見下ろします。
ひまわり畑はすっかり遠く小さくなり、山の向こうの川や海も見えます。
「こら!遠足じゃないのよ?」
すぐ隣を飛んでいたヘリアンが叱ります。
「でもでも、こんな経験は滅多に出来ないよー?」
少し先を飛んでいたイディアが無邪気に答えます。
「鳥はいいな。こんなに自由に飛べて。」
アステリが自身を運んでくれる鳥に話しかけました。
「俺達はひまわりや他の花によって生かされている。植物も十分にすごい力を持っているだろう。」
「生かされている?」
鳥のリーダーの言葉に、テラレスが尋ね返します。
「それは我々もですよ。」
リーダーの背中に乗っているシーエが笑みを浮かべます。
「鳥は植物の種や果実を食べて生きている。植物は鳥によって種を遠くに運び、種族を繁栄させている。」
こういう非常事態だけじゃない。いつだって俺達は関わり合って生きてんのさ。
鳥のリーダーの言葉は、テラレスの心に深く響きました。