第1章 太陽が輝く理由
「長老!どうするんですか!?」
「月の言いなりになるしかないの!?」
住民は口々に不安を叫びます。
月の言いなりになったところで、あの弱い光では自分達が枯れてしまうのは目に見えています。
このままでは、このひまわり畑は・・・。
「月の炎を太陽様に戻すしか方法はなかろう。」
長老の言葉にどよめきが上がります。
「戻すってどうやって!?」
「あんな高いところにあるのに・・・。」
眉尻を下げる住民に対して、長老はにやりと笑みを浮かべます。
「太陽様の光を失って困るのは、我々だけでは無いという事だ。」
長老は住民の背後の空を指し示します。
青空を背景に、いくつもの黒い影がこちらに近付いてきました。