第11章 自由研究○
「退けて」
「は、はい…」
凄んだ子どもに圧倒された私は言われた通りに手を退けて、今にもビー玉を零しそうな蜜壺を彼女の眼前に晒した。
恥部に注がれる熱心な眼差しに蜜口が蠢き、蕩けた肉壁に力が入る。
「ひっ…漏れ、出る…!」
蜜口がぱっくりと開いて押し込んだはずのビー玉が顔を出した時に、美貴ちゃんの『卵産んで』という言葉が脳裏に蘇った。
彼女が企んでいたのは、ビー玉を卵に見立てた疑似産卵。
子どもらしいユーモアのある発想だけど、同時にとんでもない発想だ。
「わー、産まれるよ!」
「―――っ!」
羞恥心でどうにかなりそうな私なんて目もくれず、美貴ちゃんははしゃいで手を叩く。
テンションが最高潮に達した彼女の声に導かれ、パックリ口を開けた秘裂からねっとりと蜜を纏ったビー玉が連なってシーツに零れ落ちた。
「卵いっぱい!沙里ちゃん頑張って!」
ボトボトと産み落とされるビー玉達は、美貴ちゃん曰く輝く卵。
しかし泡立った粘液が絡みついた玉は、私からすればSFに出てくる地球外生命体の卵のように思えた。
四方八方の肉壁を擦って排出される玉はシーツの上を濡らしながら彼方に転がり、細長いシミを何本も描いていく。