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【暗殺教室】強くてニューゲーム!?

第12章 episode4 デートの時間 Ver.業の場合


「幻聴でも聞こえたの? ほら、行こうよ。」
そう言って差し出される業の手。
その手を取るべきかで迷っていたら、業の方から繋いできた。
(え、コレって俗にいう恋人繋ぎでは・・・・・・)
「ちょ、どこ行くか聞いてないんだけど。」
人が内心焦っている。なんて露知らず。
「あぁ。実は見たいホラー映画があるんだけど、何故かカップル限定って変なチケットの売り方しててさぁ。」
「それで?」
「渚くんに頼んだら拒否られて、あんりなら暇そうだからいっかな。って」
業は理由をそう説明した。
(人を暇人みたく言うな。でもまぁ、女装を嫌がる渚が承諾する訳はないよね。)

 こうして、私たちは映画館へと歩き始めた。
「っていうかさ、恋人のフリするのにこの手のつなぎ方の必要性ある?」
「恋人っぽく見せるには、最適でしょ? それとも何? 意識しちゃうとか?」
からかうように言われれば、ちょっとムッと来たので、
「別に・・・・・・」
と可愛くない返事をしてしまった。
やはり、急に素直になるのは難しいし、業の方からしても不自然だろう。

映画館に着くと業がチケットを買ってきてくれた。
「助かったよ」
「ポップコーンとかもう買ったよ。」
「気利くじゃん。」
業と映画に来ること自体は初めてじゃない。故の緊張も何もしない。
 だが、なんなのこのシアター。
流石カップル限定というべきか、否異様なシアターだった。
 そこだけが、カップル用に仕切りというか2人分ずつの個室のようになっている。
『どうぞ見ながらイチャついてください。』とでも言わんばかりだ。とはいえ前からは見えるので、付き合い立ての
カップルや、私たちの様な振りの2人は入りにくいだろうし、イチャつきにくいと私は思う。

「あ、あはは。やめとく?」
流石の業も苦笑いである。
「チケット代勿体ないし、好きな監督なんでしょう? 座ろう。」
入りにくくはあるが、別にイチャつく必要はない。
そう思って、席番を確認し先導する。
「あんりってこういう時、行動力あるよね。(たまに大胆だしさ。)」
「それは、褒めてんの? 貶してんの?」
「褒めてるに決まってるじゃん。」
褒められてる気が全くしないのだが、席に着いた途端にCMが始まったので黙ることにする。
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