真選組に入った現代少女はとりあえず刀握りしめて戦うか【銀魂】
第34章 もう一度…もう一度だけ…【最終章】
朝起きると暖かい風が入っていて鳥が鳴いている。
畳の上に敷いた布団の上で寝ている体を起こす。
それが当たり前だった。
だから朝起きて夏の暑い朝の対策にクーラーの聞いた涼しい空気に包まれている事も、
窓は締め切っているから外の音なんて聞こえないことも、
ふかふかのベッドの上に寝ていた体を起こすのも、もう遠い昔の出来事のようだ。
名無し「なんで…」
溢れてきた涙が懐かしい元の世界の自分の部屋を見たことによる感動なのか、
元の世界に帰ってきたと実感して悲しい感情によるものか正直よく分からない。
必死で記憶を辿ると最後の記憶は総悟に抱えられながら苦しくて悶えてる事だった。
心臓に手を当てても正常に機能している。
名無し「死ななかったんだ…」
ふと思い出して右手首を見るとブレスレットは壊れた様子もなくいつもと変わらずピンク色にキラキラと輝いていた。
名無し「戻して…みんなの所に戻して!」
一年前の縁日で願ったように再びブレスレットに願う。
しかしブレスレットはあの時とは打って変わって何も反応しない。
名無し「戻してよ…総悟のところに帰らせて…」
ブレスレットの効果は一度だけ…わかってる…わかってるけど…
私はしばらくの間声を押し殺して泣いていた。