真選組に入った現代少女はとりあえず刀握りしめて戦うか【銀魂】
第15章 真選組の秋祭り
【??side】
意識がない間に私は全てを思い出した。
幼少期にこちらの世界に来たこと。
それはこのブレスレットによって起こったこと。
目が覚めると病院にいた。
どこかに引っ掛けてしまったのかブレスレットは壊れていた。
それに気づいた時はもう話すのもやっとだった。
病院のベッドの上で総ちゃんと話したのが最後。
結局ずっと好きだった十四郎さんとは最後に話すこともできずに私は生涯を終えた。
しかし気づいたら死んだはずの私は現代に戻ってきていた。
祖母の言葉を思い出す。
『いい?壊してしまったら願い事は叶わなくなってしまうから気をつけるのよ』
そういう事だったのね…
私の『べつのせかいにいきたい』という願いはブレスレットが壊れたせいで叶わなくなってしまった。
体は願い事をしたあの日の7歳の体に戻っていた。
近くに落ちていたブレスレットは壊れたはずなのに元通りになっている。
もう一度だけ―――
けれど、ブレスレットはもう願いを叶えてくれなかった。
『一つだけ願いを叶えてくれる』
その言葉が重くのしかかる。
せめて、十四郎さんにもう一度気持ちを伝えたかった。
私の死を悲しんでくれた人達に生きていることを伝えたい…!
いっぱいいっぱいになって走りだしたらいつの間にかこの縁日に辿りついていた。