第1章 104期生と兵士長

「なあエレン、リヴァイ班で最近なんか面白ぇ噂聞いたことないか？」



ニヤニヤしながらそうエレンに肩を組むのは、坊主頭のコニー。

それに対しエレンは、はぁ？と言いたげな呆れ顔でコニーを見る。
その先には無表情だがこちらを見ているミカサもいる。


「噂なんて立たねーよ。…の割に、お前なんか知ってそうだな」

「よくぞ聞いてくれました！なんと…リヴァイ兵長に…？！」

「兵長に？」

「彼女がいるとかなんとか！！！」

「…マジかよ」


心底信じられないという顔で目を見開くエレン。


「いや、だってよ、あの兵長だぜ？…なあミカサ？」

「…あの人に人を愛せるとは思えない」

「いや、そこまでは言ってねえけどよ…」

「とーにーかーく！これは調査だ！エレン！」


荒げるコニーにため息のエレン。


「あのなあ…そんな素直に、兵長が話してくれる訳ねーよ」

「でも、お前だって兵長の彼女がどんなんか気になるだろ？」

「まあ…気になるっちゃ、気になる」


ピクリとミカサが反応する


「だろー？だからよ、これから聞き込みだ！既にサシャは始めてるぜ！」

「…エレン、そんな女のことなんてどうだって」

「まあ待てよミカサ。その人に聞けば、リヴァイ兵長のこと色々聞けるかも知れねーぞ」

「…聞いてどうするの」

「付き合いやすくなるじゃねーか。得だろ？」

「私には必要ない。…けど、エレンがそう言うのなら」


これにコニーが拳を突き上げる。


「よっしゃあ！じゃあまず兵長に突撃ー！」

「っはぁ？！いきなり？！」

「ったりめーだろ！善は急げってな！

「…使い方違う気がするぞ」



こうして、この3人はリヴァイの部屋へ向かった。
途中、サシャ、ジャン達とも合流し、104期生全員が集まることとなった。