第15章 「まものと王子様」
それは、
私が初めて感じた外の世界_____________
白くて、冷たくて
知らない物だらけの所…
「うわぁ…な、何食べてるの!?
駄目だよ、呑み込まないで!吐き出して!!」
「っ!!」
彼女はまたあの時の実験のように、
酷い目に合うのかと思いヒロの手に噛み付いた。
ヒロは痛みに我慢しながら彼女の頭を撫でると
彼女は何かを思い出したかのように口を手から離した
「酷いよ、僕ただ…」
「うぅー…あぁっ」
「…もしかして、言葉が分からないの?
僕CODE016《ヒロ》」
彼女に自身のCODEがあるかを聞くが、
やはり彼女は僕の言葉が分からないようだった。
「あ、君の左足…
《002》ゼロと近い番号だ。
002…うーん、鬼…いや、ゼロツー?
あんまり良くないね。」
「…ゼォツー」
「え、分かる?名前って」
「ゼォツー、ゼォツー!ゼォツー!!」
「もっと良いの考え付けば良かったなぁ…
行こう、ゼロツー
もっと遠くに行こう!!」
ヒロはゼロツーの足元に布切れで足を覆わせて
足を怪我させないように結んだ。
彼の言葉の意味は分からなかったけれど、
彼の声が私を呼ぶ、彼と一緒に見る
彼と一緒に歩く…その事が私にはただただ楽しかった。
「はい、どうぞ。」
「うー…?」
「食べ物だよ、ちょっと待って…
はい、あー!!」
「あー!!」
彼の真似をして口を開けると、
その食べ物は私の口の中で甘酸っぱく広がっていった
「ん…あっ!」
「えぇ、良いの?僕が見て…」
「あー!!」
彼に【絵本】を渡すと、
何故か彼から「ありがとう」と言われた。
「まものと王子様…
へぇー、綺麗な絵だね!!
えっと…とある国の真っ暗闇のその奥に…」
「なぁ、間違いないか。」
「「!?」」
「この辺りだ!!」
「まだ近くに居るはずだ、探せ!」
「「はっ」」
オトナ3人が私と彼を追ってきた事に
直ぐ気付き、威嚇をしていると彼が私に大丈夫と言ってくれた_________