第15章 「まものと王子様」
「何をしている、ガーデンに戻れ。」
「あ、ぇ、止めてあげて下さい!!アイツ…」
「お前達には関係ない、来なさい。」
「ぇ、でもっ…でも…」
1人のオトナに腕を引かれ、
僕とゼロは結局ガーデンに戻る事になった。
でも、知りたい事ばかり増えるんだ…
僕らは何者なんだろうって______________
どうして名前を付けちゃ駄目なのだろう?
居なくなった子は何処に行ったのだろう?
ミツルは帰ってこられる?
あの子は誰?
オトナは、どうして答えてくれないんだろう…
どうして皆黙っているのだろう…
あの子は_________________
「…ヒロ?」
「ごめんゼロ、先にガーデンに戻ってて。」
「まさか、…本気で行くつもりなの?」
「うん…やっぱりあの子が心配なんだ、放っておけない。」
「…分かった、
イチゴとゴローには上手く言っておくよ
__________気を付けてね。」
「嗚呼、行ってくるよ。」
僕はゼロにお礼を言い、
あの子の居る建物に走っていった___________
「……寒い。」
ヒロと別れてガーデンに向かう途中、
雪のせいか乾燥で手から血が少し伝っていた。
「私も、…彼女と大して変わらない存在か。」
乾燥した手から出てきた血が、
何故か青い事に私以外誰も気付きはしなかった___________